人種や宗教、文化の違いがHIV感染率に与える影響

ホモセクシャル

人種や宗教、文化の違いがHIV感染率に与える影響

ご存知の通り、移民大国であるアメリカには多数の人種が暮らしています。以下の数字は、2010年にアメリカで新たにHIVに感染した患者を、人種別、セクシャリティ別に分析したものです。

最も感染率が高い人種はアフリカ系

この年にHIVに感染した患者47,500人のうち、約44%がアフリカ系アメリカ人でした。彼らの人口がアメリカの全人口に対してたったの12%であることを考えると、その感染率がかなり高いことが分かります。

アフリカは、他の国々と比較してHIV患者が圧倒的に多いことで知られていますが、この背景には、医療技術の遅れはもちろん、コンドームによる避妊を極端に嫌うという独自の文化が影響していると考えられています。また、FGMと呼ばれる女性器の割礼(軽度から重度まであり、重度の場合は性交渉の際にかなりの裂傷と出血を伴う)が行われている国も多く、これも感染を助長する理由の一つと推測されています。

アメリカのアフリカ系住民がどこまでアフリカ諸国の文化や習慣を受け継いでいるのかは定かではありませんが、このデータを見る限り、無関係ではないようにも思えます。この仮説を裏付けるデータとして、アフリカ系住民における新たな感染者は、ヘテロセクシャルの男性が約25%を占めていました。白人の場合はこの数字はほぼ0%ですから、比較すると、女性から男性への感染率が非常に高いことが分かります。

また、麻薬の注射針からの感染も10%と高く(白人ではほぼ0%)、アフリカ系住民と麻薬の関係性もうかがえます。ちなみに、残りの内訳は、ホモセクシュアルの男性が約50%、ヘテロセクシュアルの女性が15%でした。

カトリックの教えが感染率を高めている可能性

次に感染率が高かったのはラテン系住民で、人口比率17%に対し、患者の割合は21%に及びました。セクシャリティの内訳としては、ホモセクシュアルの男性が85%、残りの15%がヘテロセクシュアルの女性でした。

ラテン系民族にはカトリック信者が多く、宗教上の理由からコンドームの使用を好まない傾向があります。また、これはアフリカ系住民にも言えることですが、社会における位置づけが白人系よりも低い場合が多く、経済的なレベルや教育レベルが相対的に低いことも、感染率の高さに関係していると推測できます。

最も人口の多い白人系は31%と少数派

アメリカの全人口の77%を占める白人系ですが、HIV感染者は全体の31%に留まりました。セクシャリティの内訳は、ホモセクシュアルの男性が91%、ヘテロセクシュアルの女性が9%でした。

ホモセクシャル男性の感染率は約90倍

次に、患者全体(47,500人)を、セクシャリティ別に見てみた場合、全感染者の63%をホモセクシュアルの男性が占めています。ホモセクシュアルの男性の人口は全アメリカ人の約2%と見られていますから、その感染リスクは、その他のセクシュアリティの人々に比べて90倍ほど高いと言えます。

他民族国家におけるHIV教育の難しさ

この調査結果から言えることは、異なる文化や宗教を持つ多民族国家においては、HIV感染予防の徹底は容易ではないということです。民族間の経済格差や教育レベルの違い、更には麻薬の普及なども、更に問題を複雑化していると言えそうです。その点日本では、そこまでの文化の違いは見られませんから、国の政策如何によって、そして、関係者の努力によっては、比較的容易に感染予防を進めることができると信じたいものです。

参考リンク
Centers for Disease Control and Prevention

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