免疫再構築症候群!HAART療法を受けた人全体の16.1%!

免疫再構築症候群

免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Syndrome:IRS)って何

多剤併用療法(HAART療法)を始めてから4ヵ月ぐらいまでに、急に日和見感染症が発症したり、肝炎などの炎症性の疾患や、自己免疫疾患が出現したりすることがあります。これを、免疫再構築症候群といいます。
 

どのぐらいの人がなるの?

世界では、HAART療法を受けた人全体の16.1%に発症するという報告があります。厚生労働省の研究班が1997~2003年に行った調査によると、日本人の発症率は8.7%、約11人に1人発症するということになります。

帯状疱疹、非結核性抗酸菌症、サイトメガロウイルス感染症、ニューモシスチス肺炎、結核症などの感染症や、B型、C型肝炎の悪化、悪性腫瘍、自己免疫疾患、サルコイドーシス、動脈硬化などが報告されています。
 

HAART療法を始めたのに何故?

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HIV感染後、症状の出ない無症候期であっても、少しずつウイルスの量を表すHIV RNA量は増えています。そうすると、免疫の指令を出すCD4陽性リンパ球細胞の数は減り、徐々に免疫が低下するため、何らかの病原体が身体の中に入っても、追い出すことが出来ず、身体の中に隠れている状態になります。
 
このような状態で新しくHAART療法を始めたり、今まで効果のなかった治療から、効果のある治療法に変更したりすると、急激にHIV RNA量は減り、CD4陽性Tリンパ球数が増加し、免疫機能が回復してきます。そうすると、身体の中に隠れていた感染症の原因となる病原体や、炎症性疾患の元となる抗原に対して、正常な免疫反応が起きてきます。
 
これによって、急に日和見感染症が発現したり、炎症性の病気が再発したり、増悪したりするようになるのです。つまり、HIV感染によって免疫不全になっていたものが、HAART療法の効果が現れて、免疫が正常化したということでもあるのです。
 

免疫再構築症候群が発症するリスク

HAART療法を開始する時の、CD4陽性Tリンパ球数が低く(50/μl未満)、HIV RNA量が高い(10万コピー/mL以上)場合に、免疫再構築症候群を発症する可能性が高いという報告があります。

つまり、進行した免疫不全のために原因が隠れてしまっているということでもあります。しかし、これらの指標と関係しない例もあり、免疫再構築症候群が発症するリスクは、確定していません。
 

免疫再構築症候群に対する対処

炎症性の疾患には、ステロイドという炎症を抑える薬や消炎鎮痛剤などを投与しますが、投与量や投与期間は確定していません。また日和見感染症などの場合には、病原体に効果のある抗生物質などの投与が考えられます。免疫再構築症候群が重篤で、命も脅かす可能性がある疾患の場合には、HAART療法を中断することもあります。 
 

早期発見してHAART療法を始めよう

HIV感染の無症候期は人に寄りますが、平均して10年と言われています。ただその間も着々とHIV RNA量は増加し、免疫は低下し続けています。

また、ウイルスの変異により、最近ではAIDS発症まで2年程度と短くなる傾向もあると言われています。ほおっておいて、免疫不全が進行してからでは、折角のHAART療法も免疫再構築症候群のリスクも高まり、治療は非常に難しいものになります。早期発見、早期治療が重要です。まずは、HIV検査をしましょう。
 

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