HIVの恐怖は日和見感染症だけではない!合併症、副作用など

合併症 副作用

HIVと合併症

合併症とは,ある病気が原因となって起こる別の病気です。HIVが進行すると日和見感染症を引き起こしエイズのステージになりますが、HIVは日和見感染症を発症しなくてもHIVウイルスそのものや長期に渡る高活性抗レトロウイルス療法(HAART)による治療の過程でも別の合併症を引き起こす可能性があります。

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骨粗鬆症の発症率がHIV陽性の間で3倍以上大きい

骨粗鬆症は健常者でも高齢化と共に発症する共通の骨疾患で、HIVの感染有無に関わらず高齢になるにつれ骨密度が低下します。骨粗鬆症は主に閉経後の女性に多く見られますが、HIVに感染している男女の間では共通して多くみられる症状です。米国で行われた研究のひとつでは、HIV陰性の試験参加者と比較して骨粗鬆症の発症率がHIV陽性の間で3倍以上大きいことが分かりました。

HIV陽性者における骨密度の低下は、低体重、栄養失調およびビタミンD欠乏症のようなHIV感染に関連する多数の要因の結果であることが考えられます。骨粗鬆症の危険要因は性別、加齢、喫煙など習慣的なものの他、HIV感染は注射薬物使用など骨密度の低下に影響を与えているのかもしれません。また、実際に長期のHIV感染及び抗レトロウイルス薬の両方が骨密度低下に関与することが考えられます。

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HIV関連神経認知障害を発症させるケース

高活性抗レトロウイルス療法(HAART)が利用できるようになったため、HIV関連神経認知障害と脳に悪影響を与えるようなトキソプラズマ症やクリプトコッカス髄膜炎などの日和見感染の発生率が減少しましたが、効果は十分ではありません。

HIV関連神経認知障害(HAND)などは、高活性抗レトロウイルス療法(HAART)治療中でも発生する可能性があります。迅速に情報を処理する能力、習得や、記憶能力のワーキングメモリーなど神経認知障害を含めて人の毎日の機能能力に影響を与えることが知られています。

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HIV陽性の発症リスクが高い癌

HIV陽性の人は、いくつかの癌を発症する危険性が多くあります。例えば、デンマークに拠点をおく研究チームは、HIV感染と共に生きる人々は、健常者よりも癌にかかる可能性が高いことをレポートしています。その発症リスクは、弱い免疫システムと関連しているとの見方があります。

HIV陽性の発症リスクが高い癌は、肺癌、カポジ肉腫、ホジキンリンパ腫、肛門癌、肝臓癌および非黒色腫皮膚癌と言われていますが、それに対し前立腺癌に関しては逆にHIV陰性の男性に比べて27%少ない、また癌は限局性で転移や癌の進行が健常者に比べ緩やかであるといいます。

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その他、循環器障害や心臓発作のリスク増加に起因

HIV感染のウイルス自体、従来の危険因子とは無関係に循環器障害の大きなリスクに寄与していると考えられています。また、いくつかの研究では抗レトロウイルス薬は循環器障害のリスクの増加、インジナビル、ロピナビル•リトナビル、ジダノシン及びアバカビルは、心臓発作のリスク増加に起因していることがレポートされています。

合併症のリスクはHIVウイルスに依るものだけではなく高活性抗レトロウイルス療法(HAART)の副作用に依るものも考えなければなりません。今後の副作用が少ない薬剤の開発に期待します。

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