薬剤治療による副作用!HIV陽性者の新たな問題

薬剤治療

副作用は避けられないという現実

抗HIV薬は、2013年3月の時点で、合剤3種類を含め計24種類が発売されています。どの薬剤も比較的副作用の発現頻度は高く、どのような組み合わせで服用しても、残念ながら副作用は避けられないというのが現実です。

治療の開始が早まっています

以前は、抗HIV薬を長期に服用することで起きてくる副作用を少しでも回避するために、CD4値が低下してから抗HIV療法を開始する傾向がありました。

しかし、大規模臨床試験の結果、早期に治療を開始するメリットが大きく、2013年3月版の抗HIV治療ガイドラインでは、CD4陽性Tリンパ球数351~500/μLで積極的な治療開始が勧められるようになりました。

長期投与の必然性

早期治療開始に加え、多剤併用療法により予後は劇的に改善しています。そのため必然的に抗HIV薬の投与期間は長くなり、長期投与に伴う副作用が問題視されるようになっています。

長期投与による副作用は、出現頻度は少なくても重篤なものや、重篤ではないものの頻度の高いものなど様々です。

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一時的な副作用

最も多い副作用としては、服用し始めてからすぐに、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振などの胃腸症状や、頭痛、不眠などがみられます。また、飲み始めてから1~3週間後に、軽度から中等度の発疹がみられることが多く、発現頻度は薬剤によって様々です。

通常、これらの副作用は、薬を飲み続けているうちに、良くなったり、出なくなったりします。ただし、中には重度や全身性の症状が出る場合もあり、抗HIV薬を中止する必要があります。

長期投与の副作用

肝機能障害、腎機能障害、心血管疾患、精神神経系症状、糖尿病、脂質異常症、骨壊死や骨粗しょう症など骨異常、非エイズ関連腫瘍など様々ですが、症状がないことも多いので、定期的に検査を受け、対処する必要があります。

リポアトロフィーといって、腹部に脂肪がつき、手足や顔の脂肪が落ちる体脂肪分布異常が出ることがあり、外見的な変化によって精神的な苦痛を伴う副作用があります。

しかし、他の薬に変えることで改善されることがわかっています。乳酸アシドーシスのように、出現率は1000人に1.3人と、非常に稀ではあるものの、重篤で命にかかわるような副作用もあります。

早期治療開始と長期投与のせめぎ合い

早期治療を勧めるには、多くのメリットがあります。CD4陽性Tリンパ球数が十分に増加すること、CD4値が比較的高くても発症する帯状疱疹や結核、悪性リンパ腫などが抑制できること、パートナーへの二次感染を減少させる可能性があること、HIV感染症からエイズ発症の期間が短くなっていることなどです。

早期投与に加え、生命予後が改善されたことから、抗HIV薬の長期投与が余儀なくされますが、定期的な検査と、適切な治療により副作用の回避は可能です。早期治療開始のために、HIV検査の重要性は益々高くなっています。是非、検査を受けましょう。

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