HIV感染率 世界第1位! 4人に1人が陽性者の国スワジランド

スワジランド

HIV感染率世界第1位27.4%。4人に1人がHIV陽性者の国スワジランド

スワジランドは、2013年の人口は125万人、南部アフリカに位置する四国よりやや小さい国です。日本から、南アフリカを経由して約20時間、豊かな土地と温暖な気候、水や鉱物資源などに恵まれた土地柄で、2012年の国民総所得は、日本円で約33万円。隣接する南アフリカ共和国との経済協力もあり、南部アフリカ地域としては経済力の高い国です。

しかしスワジランドは貧富の差が激しく、貧困率63%、若年層の失業率は41.9%、国民の3人に1人は食料が保障されていないほど、一般国民の生活は極めて貧しい状況です。原因のひとつには、エイズによる労働力の損失が多く、生産性に乏しいということがあります。では、なぜ、HIV感染率第1位となるほど蔓延してしまったのでしょうか。

アフリカ最後の絶対君主制

スワジランドスワジランドは、ムスワティ三世を国家元首とする君主国です。2005年に憲法が導入されましたが、議会における政府の要職を国王が任命し、基本的に世襲制でドラミニ家が受け継ぎ、民主化を統制して、国民生活を抑圧しています。国民は生命を脅かされるほど貧困であるにもかかわらず、国王の生活は贅沢を尽くしています。

ムスワティ三世は現在13人の妻を持っていますが、1年に1回、国内全土の集落から、処女だけが王宮に集まり、伝統的な飾りを身に付けて踊りを踊る「リードダンス」に参加した女性の中から、毎年新しい妻を選んできました。妻に選ばれれば、今の貧しい生活から夢のような裕福な暮らしが手に入ることが約束されているのです。

貧困がもたらすHIV感染

貧困はHIVに大きな影響をもたらすといっても良いでしょう。女性が手っ取り早く収入を得る方法として売春があります。セックスワーカーのHIV感染リスクは言わずもがなというところでしょう。スワジランドではコンドームの購入やHIVや性感染症の治療費などあるわけもないのですから。

貧しい子供や孤児はストリートギャング化し、薬物に手を出し注射器の使い回しがHIVを拡散する原因ともなります。貧困は教育水準にも影響します。教育は最良のワクチンとも言われますが、教育水準の低さは、HIVそのものや予防や治療に対する知識の低さに繋がり、HIV感染を蔓延させた原因でもあります。

HIV感染の蔓延の図式

HIV陽性の男性を中心とした一夫多妻制は、女性への感染を拡げ、更にその女性が子供を産めば母子感染が拡がるというHIV蔓延の図式が出来上がっています。また、女性の地位は極めて低く、レイプや暴力的性交渉、家庭内暴力なども横行し、避妊やHIV検査といったエイズ予防とはかけ離れた生活習慣といういのが現状です。

HIV感染を蔓延させる負の連鎖を断ち切るために

HIV感染の蔓延を断ち切る一つの手立てとして、2013年2月から、HIV/エイズの母子感染予防を推進するための取り組みが展開されています。スワジランドの保健省と国境なき医師団により、感染が明らかになった妊婦や授乳婦の治療を開始するという取り組みです。女性のHIV感染を治療し、子供のHIV感染を予防することは、将来への感染拡大を防ぐことになります。

世界各国からの支援を受けて

日本赤十字をはじめ、世界各国から、スワジランドの地域住民に対する治療や感染予防の啓発などを支援するために、現地の診療所などで活動しています。ユニセフなど国際的機関や援助供与国が、指導的立場に立ってエイズ対策プログラムを展開させることで、スワジランド政府をも動かし、国王もHIV/エイズ対策に対し、若い人たちがプロジェクトに積極的に参加できる基盤を整えることを呼びかけました。

ようやく、HIV感染の予防対策がスワジランド王国の安泰を守ることに気付いたようです。国王を筆頭にスワジランド政府が全力でHIV予防対策を実践していくことを支援したいものです。

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