妊婦検診に重要性!梅毒は胎盤を通過し内側から直接胎児に感染する

妊婦検診 梅毒

古くから恐れられていた、梅毒という病気

梅毒は、性感染症という概念が生まれるずっと以前から、経験的に「性交でうつる」ことが知られ、恐れられていた病気です。抗生物質が発明される前は有効な治療法はなく、何年もかけて段階的に体を蝕み、最終的には苦しみながら死んで行くという恐ろしい病気でした。

抗生物質の普及に伴い、現在の先進国では重症の梅毒患者を見ることはほとんどなくなりましたが、それでも根絶されたわけではありません。東京都感染症情報センターの報告によれば、2013年には、都内で過去最高の419例の感染報告がありました。これはあくまで検査で陽性になった人の数ですから、実際にはもっと多くの感染者がいると見て良いでしょう。
 

世界的にはまだまだ多い梅毒感染者

ninnpu150梅毒の恐ろしさは、感染した本人にとってもさることながら、感染者が妊婦の場合、胎児へも及びます。そのため、妊娠初期の血液検査では、風疹やHIV、肝炎などの検査とともに、梅毒の検査も行われます。ここで陽性が出た場合、更に詳しい検査を行い、通常は抗生物質による治療が行われます。

WHOが、2008年、世界97か国からの梅毒患者報告数と、147か国からの妊婦健診検査結果を元に算出したところ、一年間に約140万人にも及ぶ妊婦が梅毒に感染していたという結果が出ました。梅毒患者の総数は、全世界人口の1〜2%前後で安定推移、もしくは増加の傾向にあり、妊婦の感染者数も同様と考えて良いでしょう。

梅毒が妊婦及び胎児に与える影響

上記のデータを元に専門家がシュミレーションしたところ、2008年1年間で、母親が梅毒に感染しているために起こった胎児の異常もしくは死亡は、52万件にのぼったとされています。その内訳は、死産21,500件、新生児死亡90,000件、早産児及び低出生体重児65,000件、そして15万件の先天性梅毒児となっています。

梅毒による胎児及び新生児の異常は、母親に感染の自覚症状がない場合でも起こります。梅毒の病原菌である梅毒トレポネーマは、胎盤を通過することができるので、母親の皮膚に異常があるかどうかとは関係なく、内側から直接胎児に感染するからです。これを垂直感染と呼びます。広い意味では、ヘルペスや水疱瘡など、性器や産道にできた腫れ物に胎児が触れることによって起こる感染も垂直感染と呼ばれていますが、梅毒は、胎盤を通じで感染する、本当の意味での垂直感染です。だからこそ、妊娠初期の発見、治療がとても重要なのです。最近では、経済的な理由や意識の低さなどから、妊婦検診を受けずに駆け込み出産する例も見られますが、これは胎児にとっても母親にとっても、非常に危険な選択と言えます。
 

梅毒の症状及び治療

梅毒の最大の恐ろしさは、その段階的な症状の出方にあります。一般的には、3週間、3か月、3年と言われており、おおよそ3週間目で陰部や口唇の腫れ物、3か月目で発熱や倦怠感及び全身性発疹、3年目でゴム腫という腫瘍ができるとされています。これらの症状は治療しなくても自然に消失し、時期をおいて次の症状が出ます。ですから、潜伏期間中は病気の自覚もなく、他者への感染を起こしやすいのです。

梅毒トレポネーマは、現在のところ抗生物質に対する耐性を獲得していないため、ペニシリン系の抗生物質がよく効きます。発見が早ければ後遺症などを残すこともなく完全に治療できるのです。一度でもコンドームなしでのセックスやオーラルセックスなどの経験がある方は、まずは検査を受けてみましょう。

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